• 2025年1月28日

マイクロスコープを使った精密根管治療とは?メリット・デメリット、費用を徹底解説

「歯の根の治療って、どんな治療?再発しやすいって聞くし不安…」

歯の根の治療といえば、精密さが求められる難しい治療というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。再発のリスクを最小限に抑え、歯の寿命を長く保つためには、精密な根管治療が不可欠です。近年注目を集めているのが、マイクロスコープを使った精密根管治療です。

この記事では、マイクロスコープを使った精密根管治療とは何か、従来の治療法との違い、メリット・デメリット、費用相場、そしてよくある質問まで、徹底的に解説します。マイクロスコープを使った精密根管治療を検討している方にとって、最適な治療法を選択するための有益な情報となるでしょう。

マイクロスコープ精密根管治療とは?

マイクロスコープ精密根管治療とそうでない治療の違いとは?

歯の根の治療、つまり根管治療は、歯の内部(根管)に感染した細菌を取り除き、歯の根の先までしっかり消毒・封鎖する精密な治療です。再発を防ぎ、歯の寿命を長く保つためには、この精密さが非常に重要になります。

根管治療には、保険適応内で行うものと、自費診療で行うものとがあります。

保険適応で行う根管治療は、主にレントゲン写真と歯科医の経験・勘に基づいて行われます。そのため、肉眼では見えない細かい部分に感染が残ってしまったり、根管の複雑な形状を完全に把握できないという課題がありました。再発の原因となる細菌や組織片を取り残してしまうリスクもあったのです。

一方、自費診療となる「精密根管治療」は、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を用いて根管内部を肉眼の約20倍に拡大して治療を行います。これにより、肉眼では確認できなかった細部まで鮮明に観察でき、より正確に感染源を除去し、徹底的に消毒・封鎖することが可能になります。まるで「神の目」のように、歯の内部の細部まで見ることができるのです。

具体的には、マイクロスコープを使うことで、以下の点が従来の治療と大きく異なります。

マイクロスコープ精密根管治療とそうでない治療の違い

  • 根管の可視化
    肉眼では見えない細かな根管の分岐や弯曲、感染部位を鮮明に確認できる
  • 精密な洗浄・消毒
    根管内の細菌や感染組織をより確実に除去できる
  • 正確な封鎖
    根管を完全に封鎖することで、再感染のリスクを大幅に低減できる
  • 治療精度の向上
    治療の精度が向上し、再発率が低くなる

マイクロスコープを使用することで、従来の治療では困難だった複雑な症例にも対応できるようになり、抜歯を回避できる可能性も高まります。 より精密で確実な治療を求める方にとって、マイクロスコープ精密根管治療は大きなメリットとなるでしょう。

ただし、マイクロスコープ精密根管治療は保険適用外となるため、費用が高くなる点には注意が必要です。費用面も含めて、ご自身の状況に合わせて最適な治療法を選択することが大切です。

マイクロスコープを使うメリット

精密根管治療でマイクロスコープを使うメリット6選

マイクロスコープを使った精密根管治療は、再発リスクの軽減はもちろん、治療の精度向上や患者さんの負担軽減など、様々な面で優れています。

しかし、歯科用マイクロスコープの普及率は、日本全国で約3~4~10%程度とされています。

6つのマイクロスコープを使うメリット

  1. 肉眼では見えない細部まで確認でき、虫歯の取り残しを防ぐことができる
  2. 再発リスクの大幅な軽減、再治療の頻度が減る
  3. 治療精度の向上
  4. 治療時間の短縮
  5. 歯の削り過ぎや削らなさすぎを防止できる
  6. 口腔内の健康をより良い状態に保つことができる
  1. 肉眼では見えない細部まで確認できる
    マイクロスコープは、肉眼の最大20倍の拡大率で患部を観察できます。そのため、肉眼では見ることができない微細な亀裂や、根管の複雑な形状、取り残された細菌などを正確に確認することが可能です。
  2. 再発リスクの大幅な軽減
    マイクロスコープを使用することで、根管内の細菌や感染源を完全に除去できる可能性が高まります。従来の治療では見落とされがちな細部まで確認できるため、再治療や再発のリスクを大幅に軽減できるのです。 特に、複雑な根管形状を持つ歯や、既に再発を経験している歯の治療に効果的です。
  3. 治療精度の向上
    マイクロスコープを用いることで、治療の精度が格段に向上します。根管の洗浄・消毒、薬剤の充填などを正確に行うことができるため、治療効果を高め、歯の寿命を長く保つことが可能です。
  4. 治療時間の短縮
    一見、マイクロスコープを使うことで治療時間が長くなるように思われがちですが、実際には精密な治療によって再治療の必要性が減るため、トータルでの治療時間を短縮できる可能性があります。また、的確な処置により、患者さんの負担軽減にも繋がります。
  5. 歯の削り過ぎや削らなさすぎを防止できる
    肉眼で見るよりも拡大して観察できるため、細菌を確実に除去できるとともに、「健康な歯まで削ることがない」というのもメリットです。そのため、健康な歯を守ることができるのです。
  6. 口腔内の健康をより良い状態に保つことができる
    健康な歯を守りながら細菌を確実に除去し、正確な治療が可能になるため、それまでの口腔内環境をより状態に保つことが可能です。

マイクロスコープを使うデメリット・リスク

精密根管治療でマイクロスコープは必要?デメリット・リスク

マイクロスコープを使った精密根管治療は、多くのメリットがある反面、いくつかのデメリットやリスクも存在します。全ての人に必要というわけではなく、状況によっては従来の治療法の方が適している場合もあります。

マイクロスコープを使うデメリット

  1. 費用が高くなる
  2. 導入している歯科医院が少ない

1. 費用が高くなる

マイクロスコープを用いた根管治療は、多くの場合、保険適用外の自由診療となります。そのため、従来の根管治療と比べて費用が高くなるのがデメリットです。具体的な費用は、使用するマイクロスコープの種類や治療内容、歯の本数などによって大きく変動しますが、数万円から数十万円かかるケースも珍しくありません。治療費用の目安を知りたい方は、事前に担当医に相談することをおすすめします。

2. 導入している歯科医院が少ない

マイクロスコープは高価な機器であるため、全ての歯科医院に導入されているわけではありません。マイクロスコープを用いた精密根管治療を受けたい場合は、事前にマイクロスコープを導入している歯科医院を探す必要があります。 ホームページなどで確認するか、電話で問い合わせて確認しましょう。治療を受けたい医院が見つからない場合は、セカンドオピニオンとして他の歯科医院に相談するのも良いでしょう。

これらのデメリットを踏まえた上で、マイクロスコープを用いた精密根管治療のメリットと比較検討し、ご自身の状況に最適な治療法を選択することが大切です。 ご不明な点があれば、担当医に遠慮なく質問しましょう。

マイクロスコープ精密根管治療の費用相場

マイクロスコープ精密根管治療と費用相場|保険適用範囲も解説

精密根管治療は、歯の根の治療の中でも特に高度な技術を要する治療法です。マイクロスコープを使用することで、肉眼では見えない細部まで確認しながら治療を進められるため、治療の成功率を高め、再発リスクを低減できます。しかし、その分費用が高くなることも事実です。そこで、ここではマイクロスコープ精密根管治療の費用相場について、保険適用範囲も交えながら詳しく解説します。

マイクロスコープ精密根管治療は自由診療

残念ながら、マイクロスコープを使用した精密根管治療は、多くの場合、保険適用外の自由診療となります。 そのため、費用は歯科医院によって異なり、治療する歯の種類(大臼歯、小臼歯、前歯など)によっても大きく変わってきます。

費用相場

マイクロスコープ精密根管治療の費用相場は、一般的に以下の通りです。

  • 大臼歯:10万円~30万円
  • 小臼歯:5万円~20万円
  • 前歯:5万円~20万円

ただし、これはあくまでも平均的な相場であり、実際にかかる費用は歯科医院によって異なります。さらに、治療の難易度や使用する材料、追加処置の有無などによっても費用は変動します。複雑なケースや、複数の歯を治療する場合は、さらに高額になる可能性があります。

中には、オプションとして追加料金が発生する場合もあります。例えば、特殊な材料を使用したり、CT撮影が必要になったりする場合などです。治療前に、必ず費用について詳しく説明を受けて、納得した上で治療を進めることが重要です。

費用を抑えるためには?

高額な治療費がネックとなる方もいるかもしれません。費用を抑えるためには、以下の点を考慮してみましょう。

  • 複数の歯科医院に見積もりを取る
    複数の歯科医院で費用を比較することで、相場感をつかむことができます。
  • 治療内容を事前に確認する
    治療内容によって費用が大きく変わるため、治療計画をしっかりと確認しましょう。
  • 分割払い制度の有無を確認する
    多くの歯科医院では、分割払いの制度を用意しています。経済的な負担を軽減するために、分割払いの利用を検討してみましょう。

マイクロスコープ精密根管治療は高額な治療ですが、その精密さから治療成功率が高く、再発リスクを低減できる可能性が高い治療法です。費用面と治療効果を総合的に判断し、ご自身の状況に最適な治療法を選択することが大切です。

マイクロスコープ精密根管治療に関するよくある質問

マイクロスコープ精密根管治療は、普通の根管治療と比べて何が違うの?

普通の根管治療は肉眼で行われるため、歯の根管の複雑な構造や細部まで確認することが難しいです。そのため、細菌の除去が不完全になり、再発のリスクが高くなってしまう可能性があります。

一方、マイクロスコープ精密根管治療は、マイクロスコープを用いて歯の根管を最大20倍に拡大して治療を行います。これにより、肉眼では見えない細菌や感染源を正確に発見し、徹底的に除去することが可能になります。より精密な治療によって、再発リスクの低減と治療の成功率向上に繋がります。

マイクロスコープ精密根管治療は、本当に必要なの?どんな人にオススメ?

マイクロスコープ精密根管治療は、自分の歯を生涯残したい、大切にしたいと考える全ての人に必要な治療となります。しかし、以下のようなケースでは特に有効です。

  • 自分の歯を生涯大切にしたい方
  • 高い治療精度を求める方
  • 根管治療の再発を繰り返している方
  • 複雑な根管形態をしている方
  • 歯根破折のリスクが高い方
  • 可能な限り歯を残したい方

再発を繰り返す原因を特定し、根本的な解決を目指す場合や、複雑な根管形態で肉眼での治療が困難な場合に、マイクロスコープは大きな威力を発揮します。 抜歯寸前の歯でも、マイクロスコープを用いることで歯を残せる可能性が高まります。

マイクロスコープ精密根管治療の費用はどれくらい?保険は使えるの?

マイクロスコープ精密根管治療は、自由診療となるため、保険は適用されません。 費用は、治療する歯の本数、難易度、使用する材料などによって大きく変動します。

一般的には、大臼歯で10万円~15万円、小臼歯で3万円〜6万円、前歯で5万円〜10万円程度が相場とされています。ただし、これはあくまで平均的な費用であり、実際にかかる費用は歯科医院によって異なります。治療前に必ず歯科医院に確認するようにしましょう。オプション費用として、追加で3万円程度かかる場合もあります。保険適用内の根管治療は、1回あたり2140円〜4200円程度です。

治療時間はどれくらいかかるの?

マイクロスコープ精密根管治療は、通常の根管治療よりも時間がかかります。1回の治療時間が2時間以上かかる場合もあります。 治療期間は、歯の状態や治療の複雑さによって異なりますが、数回にわたる通院が必要となることが多いです。

マイクロスコープ精密根管治療を受けられる歯科医院はどこ?

マイクロスコープを導入している歯科医院は、まだ全国的に多くありません。治療を受ける前に、近隣の歯科医院にマイクロスコープの導入状況や、精密根管治療の実績について問い合わせてみてください。 当院のような専門性の高い治療を行う歯科医院を選ぶことも重要です。

これらの情報はあくまでも一般的なものであり、個々のケースによって異なります。より詳しい情報や、ご自身の状況に合わせた最適な治療法については、必ず歯科医師にご相談ください。

とどろき今井歯科では、自費診療である精密根管治療を行っております。
神経を抜く処置に迷っている方、なかなか治らない根の病気でお困りの方はぜひご相談ください。

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