• 2025年9月23日
  • 2025年9月24日

その頭痛、原因は「噛み合わせ」かも?悩みを解消するセルフチェックと治療法を専門家が解説

「最近、市販の頭痛薬を飲んでも、なかなか痛みが引かない…」

「マッサージに行っても、その場しのぎで根本的な解決になっていない気がする」

上記のような慢性的な頭痛に、悩まされていませんか。

実は、その原因不明の頭痛は、意外にも「噛み合わせの悪さ」が引き起こしているのかもしれません。

この記事では、噛み合わせと頭痛の深い関係について、専門家の視点から分かりやすく解説します。

ご自身の症状を確認できるセルフチェックから、具体的な治療法、今日から始められるセルフケアまで、あなたの悩みを解決するための情報をまとめました。

噛み合わせが原因で起こる頭痛のセルフチェックリスト

まずはご自身の状態を確認してみましょう。

当てはまる項目が多いほど、あなたの頭痛は噛み合わせが原因である可能性が高まります。

チェック項目詳細
症状編 
□ こめかみや目の奥がズキズキと痛む側頭筋の緊張が原因で起こりやすい痛みです。
□ 頭全体が締め付けられるような重い痛みがある緊張型頭痛によく見られる症状で、筋肉の過緊張が関係しています。
□ 首や肩のこりがひどく、頭痛と同時に起こる噛み合わせのズレが全身のバランスを崩し、首や肩に負担をかけています。
□ 口を開けたり閉じたりするときに顎が鳴る、または痛む顎関節症のサインであり、頭痛の直接的な原因になることがあります。
□ めまいや耳鳴りを伴うことがある噛み合わせの異常が三叉神経や自律神経に影響を与えている可能性があります。
生活習慣編 
□ 朝起きたときに、顎やこめかみに疲れや痛みを感じる睡眠中に無意識に歯ぎしりや食いしばりをしている可能性があります。
□ 食事をするとき、左右どちらか一方で噛む癖がある片側だけに負担が集中し、顔の筋肉バランスが崩れる原因となります。
□ 仕事中など、気づくと歯を食いしばっていることがあるストレスや集中により、無意識に顎の筋肉を緊張させています。
□ 猫背である、または頬杖をつく癖がある不良姿勢は頭の位置をずらし、顎関節や首周りの筋肉に負担をかけます。

【症状編】こめかみや後頭部の痛みなど、特徴的なサイン

噛み合わせが原因の頭痛には、いくつかの特徴的なサインが現れます。

特に、こめかみ部分にある「側頭筋」という筋肉は、ものを噛むときに使われる主要な筋肉の一つです。

噛み合わせが悪いと、この側頭筋が常に緊張した状態になりやすく、血行不良を引き起こして頭痛の原因となります。

また、後頭部や首筋の痛みは、噛み合わせのズレを補うために不自然な姿勢が続くことで、関連する筋肉に負担がかかるために生じることが多いです。

【生活習慣編】無意識の癖が噛み合わせを乱している可能性

自分では気づきにくい日常生活の癖が、知らず知らずのうちに噛み合わせを悪化させているケースは少なくありません。

例えば、睡眠中の歯ぎしりや日中の食いしばりは、歯や顎に体重以上の非常に大きな力をかけてしまいます。

その他にも、片側だけで食べ物を噛む癖や、デスクワーク中の頬杖、猫背といった姿勢の乱れも、顎の位置をずらし、筋肉のバランスを崩す大きな要因となるのです。

なぜ噛み合わせが悪いと頭痛が起きるのか?

「歯の噛み合わせ」と「頭痛」は、一見するとあまり関係がないように思えるかもしれません。

しかし、私たちの身体は精巧なバランスの上に成り立っており、口の中のわずかなズレが全身に影響を及ぼすことがあるのです。

ここでは、噛み合わせの悪さがどのようにして頭痛というSOSサインを発するのか、そのメカニズムを3つのポイントから解説します。

原因1:筋肉の過緊張

私たちの頭部や顔、首周りには、多くの筋肉が存在し、互いに連携して動いています。

噛み合わせが正しい位置にないと、下顎を支える筋肉は常に余計な力を使ってバランスを取ろうとします。

この状態が続くと、特にこめかみにある側頭筋や、顎の咬筋などが過度に緊張し、硬くなってしまうのです。

筋肉が硬くなると内部の血流が悪化し、痛みや疲労物質が溜まりやすくなります。

これが、肩こりと同じ原理で起こる「緊張型頭痛」の正体です。

原因2:顎関節への負担

噛み合わせの異常は、耳のすぐ前にある顎関節にも直接的なダメージを与えます。

顎関節は非常にデリケートな構造をしており、噛み合わせが悪いと関節内部のクッション(関節円板)がずれたり、骨に過度な圧力がかかったりします。

これが「顎関節症」と呼ばれる状態で、「口を開けるとカクカク音がする」「口が開きにくい」「顎が痛い」といった症状を引き起こすのです。

顎関節の周辺には多くの神経が集中しているため、ここでの異常が関連痛としてこめかみや側頭部に頭痛を引き起こすことは珍しくありません。

原因3:全身の歪み

口は身体の重心を司る頭部を支える土台の一部です。

そのため、噛み合わせがわずかにずれるだけでも、頭の傾きが生じ、それを補正しようと首や背骨、骨盤にまで歪みが連鎖していきます。

この全身のバランスの崩れは、首や肩の筋肉にさらなる負担をかけ、頭痛を悪化させる要因となります。

さらに、首の骨(頸椎)の歪みは、内部を通る自律神経の働きを乱すことがあります。

その結果、頭痛だけでなく、めまいや吐き気、不眠、生理不順といった、原因不明とされがちな様々な不調を引き起こすことさえあるのです。

放置は危険!頭痛以外にも現れる噛み合わせの悪影響

噛み合わせの悪さは、単に頭痛を引き起こすだけではありません。

放置してしまうと、お口の中だけでなく、全身の健康や美容にも様々な悪影響が及ぶ可能性があります。

影響の種類具体的な症状・デメリット
全身の健康肩こり・首こり:頭部のバランスを保つため、首や肩の筋肉に常に負担がかかります。
 腰痛:身体の歪みが骨盤にまで及び、腰痛の原因となることがあります。
 耳鳴り・めまい:顎関節の近くにある内耳に影響を与え、平衡感覚が乱れることがあります。
 消化不良:食べ物をしっかり咀嚼できないため、胃腸に負担がかかりやすくなります。
 自律神経の乱れ:不眠や疲労感、気分の落ち込みなど、精神的な不調にも繋がります。
お口の健康虫歯・歯周病:歯並びが悪いと清掃が難しくなり、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
 歯の破折・摩耗:特定の歯に過度な力がかかることで、歯がすり減ったり、欠けたりします。
 顎関節症の悪化:顎の痛みや開口障害が進行し、日常生活に支障をきたす場合があります。
美容面顔の歪み:左右の筋肉のバランスが崩れ、口角の高さや目の大きさに差が出ることがあります。
 ほうれい線・エラの張り:特定の筋肉が過剰に発達したり、たるんだりすることで、見た目の印象が変わります。

噛み合わせが原因の頭痛を治すには?歯科医院での治療法を徹底比較

噛み合わせが原因の頭痛は、市販薬では根本的な解決には至りません。

原因に直接アプローチする歯科医院での治療が不可欠です。

治療法特徴費用目安(保険適用外の場合)治療期間の目安こんな方におすすめ
咬合調整・補綴治療特定の歯の高さが原因の場合、歯をわずかに削ったり、被せ物や詰め物を調整・交換したりしてバランスを整えます。数千円〜数万円/本1日〜数週間・比較的軽度な噛み合わせのズレ・特定の被せ物が原因だと考えられる
マウスピース療法患者さん専用のマウスピース(スプリント)を作成し、主に就寝中に装着。歯ぎしりや食いしばりから歯と顎を守ります。3万円〜8万円1週間〜1ヶ月・歯ぎしり、食いしばりがある・まず負担を軽減したい
矯正治療歯並びそのものを動かして、理想的な噛み合わせを再構築します。ワイヤーやマウスピース型装置(インビザライン)などがあります。30万円〜150万円1年〜3年・歯並びの乱れが根本原因・抜本的な改善を目指したい

咬合調整・補綴治療|歯を少し削る・被せ物で高く調整

これは、噛み合わせのバランスを崩している原因が、特定の歯の高さにある場合に有効な治療法です。

歯は髪の毛1本分の厚さでも違和感を覚えるほど精密なため、ほんの少し歯の表面を削って調整するだけで、劇的に症状が改善されることがあります。

また、過去に治療した被せ物や詰め物が合わなくなっている場合は、それらを適切な高さのものに作り直します。

比較的短期間で終わり、費用負担も少ないのが大きなメリットです。

マウスピース(スプリント)療法|睡眠中の負担を軽減

特に、睡眠中の歯ぎしりや日中の無意識な食いしばりが原因で筋肉が緊張している方に有効なのが、マウスピース(スプリント)療法です。

歯科医院で精密に型取りして作製した専用のマウスピースを装着することで、上下の歯が直接当たるのを防ぎ、顎関節や筋肉にかかる力を和らげます。

これにより、筋肉の緊張がほぐれ、頭痛や顎の痛みが軽減される効果が期待できます。

保険が適用される場合もあるため、まずは歯科医師に相談してみましょう。

矯正治療|歯並びを根本から整え、理想の噛み合わせへ

歯並びの乱れ(不正咬合)が噛み合わせの問題の根本原因である場合は、矯正治療が最も効果的な解決策となります。

ワイヤーとブラケットを用いた 代表的な方法のほか、最近では透明で目立たないマウスピース型矯正装置(インビザラインなど)も人気です。

治療期間は年単位で、費用も高額になりますが、頭痛の改善だけでなく、見た目の美しさや虫歯・歯周病予防といった多くのメリットが得られます。

医療費控除の対象となる場合もあるため、経済的な負担を軽減できる可能性もあります。

治療と並行して始めたい!今日からできる4つのセルフケア

歯科医院での専門的な治療は非常に重要ですが、それと同時に日常生活の習慣を見直すことも、症状の改善と再発防止に繋がります。

ここでは、今日からすぐに始められる4つの簡単なセルフケアをご紹介します。

ケアの種類実践のポイント
1. 姿勢を正すデスクワーク中は背筋を伸ばし、顎を引く。PC画面は目線の高さに。スマホは顔の前に持ち上げて見る。
2. 咀嚼の癖を意識する食事の際は、左右の歯で均等に、ゆっくりと噛むことを意識する。ガムなどを利用してトレーニングするのも有効。
3. 顎周りの筋肉をほぐす人差し指と中指で、こめかみや耳の前の頬骨の下あたりを優しく円を描くようにマッサージする。
4. ストレスを管理する深呼吸、ぬるめのお湯での入浴、趣味の時間を作るなど、自分なりのリラックス方法を見つけて実践する。

1. 姿勢を正す

猫背になると頭が前に突き出し、その重い頭を支えるために首や肩、顎の筋肉に大きな負担がかかります。

椅子に深く腰掛け、背筋を伸ばして顎を軽く引くことを意識しましょう。

2. 咀嚼の癖を意識する

無意識のうちに、いつも同じ側でばかり食べ物を噛んでいませんか。

片側だけで噛む癖は、片方の筋肉ばかりを発達させ、もう片方を衰えさせてしまいます。

このアンバランスが顔の歪みや顎関節への負担増に繋がり、頭痛の原因となるのです。

3. 顎周りの筋肉をほぐす

仕事の合間やリラックスタイムに、硬くなった顎周りの筋肉を優しくほぐしてあげましょう。

血行が促進され、筋肉の緊張が和らぐことで、頭痛の予防・緩和に繋がります。

4. ストレスを管理する

ストレスは、無意識のうちに歯を食いしばらせる大きな原因です。

日頃からストレスを溜め込まないように、自分なりの解消法を見つけることが大切です。

世田谷区で噛み合わせ・頭痛にお悩みなら「とどろき今井歯科」へ

当院では、カールツァイス社製のマイクロスコープや歯科用3DCTセファロといった最新設備を完備しており、肉眼では見えないレベルでの精密な検査・診断が可能です。

初診時にはお一人お一人、丁寧にカウンセリングを行っております。検査で得られた客観的なデータをお見せしながら、症状の原因と最適な治療計画を分かりやすくご説明いたします。

当院の院長は、インプラント認定医の資格を有しています。

インプラント治療だけでなく、インビザラインなどの矯正治療にも精通しており、噛み合わせに関する包括的な視点から、あなたにとって最善の治療法をご提案します。

【まとめ】つらい頭痛に悩んだら専門医への相談から始めましょう

長年あなたを苦しめてきた慢性的な頭痛は、決して諦める必要はありません。

その原因が「噛み合わせ」にあるのなら、適切な歯科治療によって、痛み止めに頼らない快適な毎日を取り戻せる可能性が十分にあります。

まずはセルフチェックでご自身の状態を確認し、もし一つでも当てはまる項目があれば、一人で悩まずに専門家へ相談してください。

とどろき今井歯科では、あなたの不安に寄り添い、根本原因の解決に向けて全力でサポートします。

この記事が、あなたが辛い頭痛から解放されるための一歩となることを心から願っています。

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