- 2025年10月13日
【歯科医師監修】子どもの仕上げ磨きのやり方決定版!嫌がる子も笑顔になる年齢別のコツ
毎日の仕上げ磨き、本当に大変ですよね。
「しっかり磨いてあげたい」という気持ちとは裏腹に、お子さんが嫌がって泣いてしまったり、じっとしてくれなかったり…。
そんな日々が続くと、親御さん自身も疲れてしまうことがあるでしょう。
しかし、そのお悩み、今日で終わりにしませんか?
この記事は、日々お子様のお口の健康と向き合う歯科医師が監修しています。
なぜお子さんが仕上げ磨きを嫌がるのか、その理由から紐解き、具体的な解決策まで丁寧に解説いたします。
この記事を読み終える頃には、正しい仕上げ磨きのやり方が分かり、お子さんとの歯磨きタイムがストレスフリーなひとときに変わるはずです。
子どもが仕上げ磨きを嫌がる3つの大きな理由

お子さんが仕上げ磨きを嫌がる理由は主に以下の3つが考えられます。
嫌がる理由 | お子さんの気持ち(代弁) |
---|---|
1. 痛い・不快 | 「歯ブラシが歯茎に当たって痛いよ」「口の中に変な感じがする」 |
2. 怖い・不安 | 「何をされるか分からなくて怖い」「口を大きく開けるのが嫌だ」 |
3. 眠い・遊びたい | 「もう眠たいのに…」「まだ遊びたいのに邪魔しないで!」 |
大人にとっては些細なことでも、小さなお子さんにとっては大きなストレスになり得ます。
これらの気持ちを理解してあげるだけで、親御さんの声かけや接し方も自然と変わってくるでしょう。
仕上げ磨きの基本のやり方

ここからは、いよいよ実践編です。
お子さんのお口の健康を守るための、仕上げ磨きの基本的な手順を3つのステップでご紹介いたします。
ステップ1:準備編|必須アイテムと楽しい雰囲気づくり
「仕上げ磨きは準備が9割」と言っても過言ではありません。
万全の準備で、スムーズな歯磨きタイムを実現させましょう。
まず、揃えておきたい必須アイテムはこちらです。
アイテム | 選び方のポイント | 備考 |
---|---|---|
子ども用歯ブラシ | – ヘッドが小さく、奥歯まで届きやすいもの- 毛が柔らかく、歯茎を傷つけにくいもの | |
フッ素配合歯磨き粉 | – 子どもが好きな味(イチゴ、メロンなど)- 年齢に応じたフッ素濃度のもの | 歯質を強化し、虫歯予防に効果的です |
デンタルフロス | – 持ち手がついたY字タイプが使いやすい |
アイテムが揃ったら、次は「楽しい雰囲気づくり」です。
歯磨きを「やらされる嫌なこと」から「楽しいイベント」に変える工夫をしてみませんか。
- お気に入りの歌を歌う:「この歌が終わるまで頑張ろうね」と時間を区切ると効果的です。
- 歯磨きアプリを活用する:キャラクターと一緒に歯磨きができるアプリもたくさんあります。
- カレンダーにご褒美シールを貼る:頑張った証が見えると、お子さんのやる気もアップします。
ステップ2:実践編|正しい姿勢・持ち方・動かし方
ここでは「姿勢」「持ち方」「動かし方」の3点が重要になります。
1. 姿勢:安心できる「寝かせ磨き」で
一番のおすすめは、親御さんの膝にお子さんの頭を乗せる「寝かせ磨き」です。
この姿勢は、お口の中がよく見えて磨きやすく、お子さんも安定するため安心感があります。
2. 持ち方と力加減:歯ブラシは「鉛筆持ち」で優しく
歯ブラシは、力を入れすぎない「鉛筆持ち」が基本となります。
歯ブラシの毛先が広がらないくらいの、優しい力で磨いてあげてください。
3. 動かし方と順番:小刻みに、ルートを決めて
歯ブラシは大きくゴシゴシ動かすのではなく、5mmから10mm幅で小刻みに動かします。
また、「右奥の上からスタートして…」というように磨く順番(ルート)を決めておくと、磨き残しを防げます。
ステップ3:総仕上げ編|ここだけは押さえて!虫歯になりやすい危険ゾーン3選
毎日全ての歯を完璧に磨くのは大変です。
そこで、特に汚れが溜まりやすく虫歯になりやすい「危険ゾーン」を把握し、集中ケアすることが効率的です。
危険ゾーン | なぜ虫歯になりやすい? | 磨き方のコツ |
---|---|---|
1. 奥歯の溝 | 溝が深く複雑な形状のため、食べカスが残りやすい | 歯ブラシの「つま先」や「かかと」を使い、溝にしっかり毛先を入れる |
2. 歯と歯の間 | 歯ブラシの毛先が届かず、プラークが溜まりやすい | 1日1回はデンタルフロスを使い、歯間の汚れをかき出す |
3. 歯と歯ぐきの境目 | 歯周ポケットの入り口で、汚れが溜まりやすい | 歯ブラシを45度の角度で当て、歯と歯茎の間を優しく磨く |
これらのポイントを押さえるだけで、仕上げ磨きの質は格段に向上するでしょう。
【年齢別】仕上げ磨きのポイントと注意点(0歳~小学生)

お子さんの成長に伴い、お口の中の状態も変化します。
ここでは、年齢に合わせた仕上げ磨きの目標とポイントをまとめました。
年齢 | 歯の状態 | 仕上げ磨きの目標 | ポイント・注意点 |
---|---|---|---|
0歳~2歳 | 乳歯の生え始め~生えそろい期 | 習慣づけと口に触られることに慣れる | ガーゼ磨きから開始。上唇小帯に注意する。 |
3歳~5歳 | 乳歯列完成期 | 自分磨きのサポートと、親による完璧な清掃 | 子どもの自主性を尊重しつつ、磨き残しを親がしっかりチェック。 |
6歳~12歳 | 永久歯への生え変わり期 | 生えたての弱い永久歯を守る | 特に「6歳臼歯」を念入りに。10歳頃まで続けるのが理想。 |
0歳〜2歳(乳歯の生え始め〜生えそろい期):まずは口に触れられることに慣れよう
この時期の目標は、歯をきれいにすることよりも「歯磨きに慣れること」です。
まずは湿らせたガーゼで歯を優しく拭うことから始めましょう。
歯ブラシに移行したら、上の前歯の裏側にある筋「上唇小帯(じょうしんしょうたい)」にブラシが強く当たらないよう、指で保護しながら磨いてあげるのがポイントです。
3歳〜5歳(乳歯列完成期):自分で磨く意欲を尊重しつつ、親が主役で
「自分でやりたい」という気持ちが芽生える時期です。
その意欲を大切にし、まずは自分で磨かせてあげましょう。
「上手だね!」「ピカピカになったね」とたくさん褒めてあげた後、「最後はお父さん(お母さん)に任せてね」とバトンタッチするのがスムーズです。
6歳〜12歳(永久歯への生え変わり期):生えたての永久歯は特に念入りに!
乳歯と永久歯が混在し、歯並びがデコボコになるため、磨き残しが出やすい時期です。
特に最初に生える永久歯である「6歳臼歯」は、溝が深くて最も虫歯になりやすい歯と言われます。
意識して丁寧に磨いてあげましょう。
お子様自身で上手に磨けるようになる10歳から12歳頃まで、親御さんのサポートが必要です。
仕上げ磨きの「困った!」を解決する裏ワザ&Q&A

ここでは、多くの親御さんが抱える具体的なお悩みについて、Q&A形式でお答えします。
こんな時どうする? | 解決策のヒント |
---|---|
Q1. どうしても暴れて磨けません… | A. 無理強いは逆効果です。まずは機嫌の良い時に「10秒だけ」など短時間から試しましょう。それでも難しい日は、フッ素ジェルを塗るだけでも効果があります。 |
Q2. 忙しくて毎日できない日があっても大丈夫? | A. 完璧でなくても大丈夫です。一日くらいできなくても自分を責めないでください。その代わり、できる日に丁寧にケアしてあげることが大切です。 |
Q3. フッ素入り歯磨き粉は使った方がいいですか? | A. はい、歯科医師として強く推奨します。歯を強くし、虫歯菌の活動を抑える効果が科学的に証明されています。うがいができない年齢なら、フッ素ジェルやスプレータイプがおすすめです。 |
【まとめ】完璧を目指さなくて大丈夫!親子で楽しく歯の健康を守りましょう
今回は、お子さんの仕上げ磨きのやり方について、基本的な手順から年齢別のコツ、よくあるお悩みまで解説しました。
大切なポイントをもう一度振り返ってみましょう。
- 子どもが嫌がる理由を理解し、気持ちに寄り添う
- 「寝かせ磨き」で正しい姿勢・持ち方・動かし方をマスターする
- 年齢に合わせたケアへとアップデートしていく
- 歌やアプリなどを活用し、楽しい雰囲気をつくる
毎日の仕上げ磨きは、お子さんの歯の健康を守るための大切な習慣です。
しかし、完璧を目指しすぎて親御さんが疲弊してしまっては元も子もありません。
まずは一日一回でも、親子で笑顔になれる歯磨きタイムを目指しましょう。
世田谷区等々力にある、「とどろき今井歯科」では、お子様一人ひとりに合わせた仕上げ磨きの指導も行っております。
マイクロスコープなどの精密機器も完備し、プロの視点で皆様の歯の健康をサポートいたします。
仕上げ磨きでお困りの際は、どうぞお気軽にご相談ください。