• 2026年1月14日

歯科麻酔はもう怖くない!痛くない方法の全てを歯科医師が徹底解説【トラウマ克服】

「あの『チクッ』とする痛みが怖くて、歯医者に行けない…」

過去の歯科治療で麻酔注射に強い痛みを感じ、それがトラウマになっていませんか。

しかし、現代の歯科医療は大きく進歩しました。

この記事では、歯科医師監修のもと、なぜ麻酔が痛かったのかという原因から、最新の「痛くない麻酔」の方法、そして患者様自身ができることまで、徹底的に解説していきます。

この記事を読み終える頃には、麻酔への恐怖が和らぎ、安心して歯科医院へ一歩踏み出す勇気が持てるはずです。

歯科麻酔の注射が「痛い」と感じる3つの理由

漠然とした痛みへの恐怖を和らげるには、まずその原因を知ることが大切です。

歯科麻酔で「痛い」と感じるのには、主に3つの理由があります。

  1. 針が刺さる時の痛み
    歯茎の粘膜に注射針が刺さる瞬間の「チクッ」とした痛みです。これが、多くの方が最初に感じる痛みでしょう。
  2. 麻酔液が入る時の圧迫感
    麻酔液を注入する際、歯茎の内部に圧力がかかることで生じる「ズーン」とした痛みです。特に、手動で急いで注入すると、この圧痛は強くなります。
  3. 麻酔液の温度差による刺激
    冷たい麻酔液が体内に入ることで生じる「ヒヤッ」とした刺激です。体温との温度差が大きいほど、痛みとして感じやすくなります。

これらの原因を一つひとつ取り除くことで、痛みのない麻酔が可能になるのです。

痛くない麻酔を実現する5つのステップ

「痛いのが当たり前」だったのは、もはや過去の話です。

現在の多くの歯科医院では、先ほど挙げた痛みの原因を取り除くため、以下のような細やかな工夫を凝らしています。

これらは単独ではなく、組み合わせて行うことで「痛みを感じさせない」レベルを目指すものです。

1. 表面麻酔を塗る歯茎の感覚を麻痺させ、注射針が刺さる瞬間の「チクッ」とした痛みをなくします。
2. 極細の針を使う髪の毛ほどの細さの針(33Gや35G)を使い、歯茎への刺激を最小限に抑えます。
3. 電動麻酔器で注入するコンピューター制御で一定の速度と圧力でゆっくり注入し、圧迫による痛みを防ぎます。
4. 麻酔液を温める麻酔液を人肌(約37℃)に温め、体温との温度差による刺激をなくします。
5. 丁寧な声かけと技術歯科医師の優しい声かけで緊張をほぐし、痛点(痛みを感じる点)を避ける技術で刺激を減らします。

このように、ハード(設備)とソフト(技術・配慮)の両面から、徹底して痛みを排除するアプローチが取られています。

痛みの不安レベルで選べる!歯科麻酔の種類と特徴

痛みをコントロールする方法は一つではありません。

治療内容や患者様の不安の度合いに応じて、いくつかの麻酔方法を使い分けます。

ここでは、代表的な麻酔の種類とその特徴を比較してみましょう。

種類メカニズム
主な効果と持続時間こんな方・こんな治療にメリットデメリット・注意点
浸潤麻酔治療する歯の周りの歯茎に直接注射し、局所的に神経を麻痺させる。治療部位の痛みを完全に抑制。効果は1~3時間程度。一般的な虫歯治療、抜歯、歯周病治療など。必要な部分だけに的確に麻酔を効かせられる。麻酔が切れるまで唇や舌を噛まないよう注意が必要。
伝達麻酔より広範囲を支配する太い神経の近くに注射し、広範囲を麻痺させる。下顎の奥歯など広範囲の痛みを抑制。効果は3~6時間程度。親知らずの抜歯、下顎の奥歯の治療など。1回の注射で広い範囲の治療が可能。浸潤麻酔より麻痺の範囲が広く、切れるまで時間がかかる。
笑気麻酔亜酸化窒素と酸素の混合ガスを鼻から吸い、リラックスさせる。精神的なリラックス効果と軽い鎮痛作用。意識は保たれる。歯科恐怖症の方、嘔吐反射が強い方、小児の治療。吸入を止めるとすぐに効果が切れる。心身への負担が少ない。鼻呼吸ができないと使用できない。稀に吐き気を感じることも。
静脈内鎮静法腕の静脈から鎮静剤を点滴し、深いリラックス状態にする。うたた寝のような状態で、治療中の記憶がほとんど残らない。極度の歯科恐怖症の方、インプラント手術など長時間の治療。不安や恐怖を全く感じずに治療を終えられる。専門医による管理が必要。治療後は車の運転ができないなどの制限がある。

基本の麻酔:浸潤麻酔・伝達麻酔

ほとんどの虫歯治療や抜歯では、浸潤麻酔や伝達麻酔が用いられます。

これらは治療の痛みを確実に取り除くための基本的な麻酔です。

不安や恐怖心が特に強い方向けの選択肢(笑気麻酔・静脈内鎮静法)

笑気麻酔は、鼻から甘い香りのガスを吸うだけで、フワフワと心地よい気分になり、不安が和らぎます。

また、静脈内鎮静法は、点滴によってうたた寝しているような深いリラックス状態になり、気づいたときには治療が終わっているという方法です。

どちらも、痛みへの恐怖が非常に強い方のための心強い味方となってくれます。

痛みを減らすために患者ができること|予約前から治療後までの注意点

歯科医師の工夫だけでなく、患者様ご自身のちょっとした心がけで、麻酔の痛みをさらに和らげることができます。

予約前から治療後まで、時系列でポイントを見ていきましょう。

タイミング具体的な行動その理由
予約前日十分な睡眠をとる。体調が万全だと、痛みに対して過敏になりにくくなります。
治療中痛いや怖いと感じたら、我慢せずに手を挙げて合図する。歯科医師はすぐに中断し、麻酔の追加など適切な対応をしてくれます。
治療後麻酔が完全に切れる(感覚が戻る)まで食事を控える。感覚がない状態で食事をすると、唇や頬の内側を誤って噛んでしまう危険があります。

「痛いのが苦手」と上手に伝えるには?歯科医師への相談のコツ

安心して治療を受けるためには、ご自身の不安を歯科医師に正直に伝えることが何よりも重要です。

しかし、「どう伝えればいいか分からない」という方もいるでしょう。

そこで、上手に伝えるための具体的なコツをご紹介します。

  • 問診票に具体的に書く
    「麻酔が苦手」という項目にチェックを入れるだけでなく、余白に「以前の麻酔で強い痛みを感じた経験があり、とても怖いです。表面麻酔をお願いできますか?」のように、具体的な経験と要望を書き添えましょう。
  • カウンセリングで正直に話す
    「大げさだと思われないか」などと心配する必要はありません。「注射の針を見るだけで緊張してしまいます」「痛みに弱いので、できるだけ配慮していただけると嬉しいです」と、ありのままの気持ちを伝えましょう。

誠実な歯科医師であれば、あなたの不安を受け止め、どのような対策を取るかを丁寧に説明してくれるはずです。

信頼できる「痛くない歯医者」の探し方3つのポイント

では、実際にどのようにして痛みに配慮してくれる歯科医院を見つければよいのでしょうか。

以下の3つのポイントを参考に探してみてください。

  1. 公式サイトで「無痛治療」への取り組みを確認する
    「痛みに配慮した治療」「無痛治療」といったキーワードで検索し、公式サイトをチェックします。電動麻酔器や笑気麻酔といった設備の導入や、痛みへの具体的な取り組みについて詳しく説明している医院は、信頼性が高いでしょう。
  2. カウンセリングを重視しているか
    治療を始める前に、患者の話をじっくり聞くためのカウンセリングの時間を設けている医院を選びましょう。あなたの不安や希望を親身に聞いてくれる姿勢は、丁寧な治療につながります。
  3. 治療方法の説明が分かりやすいか
    なぜこの治療が必要なのか、どのような手順で行うのか、どのような麻酔を使うのかといった点を、専門用語を使わずに分かりやすく説明してくれる歯科医師は信頼できます。疑問点に一つひとつ丁寧に答えてくれるかも重要なポイントです。

歯科麻酔のよくある質問

ここまで読んでも、まだ解消されない疑問や不安があるかもしれません。

最後に、歯科麻酔に関するよくある質問にお答えします。

Q. 表面麻酔をしても痛いことはありますか?

A. ほとんどの場合、表面麻酔で針の痛みは感じなくなります。しかし、麻酔が効く前に注射をしてしまったり、炎症が非常に強い部分だったりすると、痛みを感じることが稀にあります。その際は、すぐに歯科医師に伝えましょう。注入を中断し、時間を置くなどの対応をしてもらえます。

Q. 麻酔が効きにくい体質はありますか?

A. 非常に稀ですが、遺伝的に麻酔が効きにくい体質の方もいます。それ以上に多いのは、治療する歯の周りの炎症が強いケースです。膿が溜まっているなど、強い炎症があると麻酔薬が効きにくくなります。その場合は、麻酔の種類を変えたり、先に抗生物質で炎症を抑えたりしてから治療を行うことがあります。

【まとめ】痛くない治療で健康な歯を取り戻そう

歯科麻酔の痛みは、もはや我慢するものではありません。

この記事でご紹介したように、現代の歯科医療には痛みをなくすための様々な技術と工夫があります。

「歯科治療は痛いもの」という考えは、もう過去のものです。

ぜひ勇気を出して、信頼できる歯科医師に相談してみてください。

世田谷区等々力にあるとどろき今井歯科では、痛みに配慮した治療を行っております。

痛みに対する恐怖心が強い方はぜひ一度ご相談ください。

痛みのない快適な治療で、あなたの大切な歯の健康を取り戻しましょう。

本記事は、とどろき今井歯科 院長 今井 佳佑(歯科医師)の監修を受けています。
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