• 2025年12月10日

小児矯正の最適な時期はいつ?後悔しないための年齢別タイミング完全ガイド【歯科医師監修】

「うちの子の歯並び、このままで大丈夫かしら?」
「学校の歯科検診で、歯並びを指摘されてしまった…」

お子さまの歯の生え変わりが進むにつれて、このような不安を感じる親御さんは少なくありません。
小児矯正が良いとは聞くけれど、いつから始めるのが正解なのか、費用はどのくらいかかるのか、わからないことだらけですよね。

この記事では、小児矯正を専門とする歯科医師の監修のもと、お子さまの将来のために後悔しない選択ができるよう、「小児矯正を始める最適な時期」について徹底的に解説します。

小児矯正を始めるべき最適な時期は「顎が成長する6歳~12歳」

小児矯正を始めるのに最も効果的な時期は、一般的に6歳から12歳頃といわれています。

この時期は、乳歯と永久歯が混在する「混合歯列期(こんごうしれつき)」と呼ばれます。
まさにお子さまの顎の骨がぐんぐん成長する「ゴールデンエイジ」であり、このタイミングを活かすことが、矯正治療を成功させる最大のカギとなるのです。

なぜこの時期がベスト?顎の成長を活かす3つの大きな理由

では、なぜ「6歳から12歳」が矯正治療のゴールデンエイジなのでしょうか。
それは、お子さま自身の「成長する力」を最大限に利用できるからです。

理由1:将来の「抜歯」リスクを大幅に減らせるから

大人の矯正でよく聞かれるのが、「歯を並べるスペースを作るために健康な歯を抜いた」という話です。
しかし、成長期のお子さまであれば、顎の骨の成長を適切に促してあげることが可能です。

矯正装置を使って顎のアーチを広げ、永久歯がきちんと並ぶためのスペースを確保するのです。
これにより、将来的に健康な永久歯を抜かずに済む可能性が飛躍的に高まります。

理由2:お子さまの心身への負担が少なく、効果も出やすいから

成長期のお子さまの骨は、大人に比べて非常に柔らかく、新陳代謝も活発です。
そのため、比較的弱い力で歯や顎の骨を動かすことができます。

これは、治療中の痛みが少なく済むことにつながり、お子さまの心身への負担を大きく軽減するのです。
また、歯がスムーズに動くため、治療期間が短くなる傾向にあるのも大きなメリットでしょう。

理由3:受け口や出っ歯の「骨格」から改善できるから

小児矯正の大きな特徴は、単に歯を並べるだけでなく、顎の骨の成長をコントロールできる点にあります。
例えば、受け口(下の顎が前に出ている)や出っ歯(上の顎が前に出ている)といったお悩みは、歯だけの問題ではなく、顎の骨格のズレが原因であることが少なくありません。

この時期に治療を開始すれば、顎の成長バランスを整え、骨格的な問題の根本改善が期待できます。
成長が終わった大人になってからでは、外科的な手術が必要になるケースもあるため、この時期の治療は非常に重要です。

治療開始時期メリットデメリット
成長期(6歳~12歳)顎の成長を利用でき、抜歯のリスクが低い治療がⅠ期・Ⅱ期と長期にわたる可能性がある
 骨格的な問題にもアプローチ可能お子さま自身の協力が不可欠になる
 治療の痛みが少なく、心身への負担が軽い装置の管理や虫歯のリスクがある
成長後(13歳以降)お子さま自身の意思で治療に臨める抜歯が必要になる可能性が高まる
 自己管理ができるため、虫歯リスクを抑えやすい外科手術が必要になるケースがある
 治療期間が長くなり、費用も高くなる傾向がある

【歯並び別】うちの子はいつ相談すべき?開始時期のサインと目安

「最適な時期はわかったけど、うちの子の場合はどうなの?」と疑問に思いますよね。
ここでは、特に注意して見ていただきたい歯並びのタイプ別に、相談時期の目安と親御さんが気づきやすいサインをまとめました。

歯並びのタイプ親御さんが気づくサイン相談時期の目安主な治療法(例)
受け口(反対咬合)「イー」の口で下の歯が上の歯より前にある3歳~5歳ムーシールド、プレオルソ
出っ歯(上顎前突)口が閉じにくく、上の前歯が目立つ6歳~8歳プレオルソ、拡大床
ガタガタ(叢生)歯が重なって生えている、八重歯がある6歳~9歳拡大床、ワイヤー矯正
開咬(オープンバイト)奥歯で噛んでも前歯が閉じない5歳~7歳プレオルソ、タングクリブ

【3歳~】受け口(反対咬合)は早期発見・早期治療がカギ

数ある不正咬合の中でも、特に早期の対応が推奨されるのが「受け口」です。
放置すると、上顎の健やかな成長を妨げ、顔つきにも影響を及ぼす可能性があります。
3歳児健診などで指摘されたり、ご家庭で気づかれたりした場合は、できるだけ早く専門医に相談しましょう。

【6歳~】出っ歯・ガタガタの歯は永久歯への生え変わりがサイン

上の前歯が永久歯に生え変わる6歳頃は、多くのお悩みが表面化しやすい時期です。
「前歯が大きい」「歯がガタガタに生えてきた」と感じたら、それは歯科医院に相談する最初のサインかもしれません。
このタイミングで顎のスペースを確保しておくことで、その後に生えてくる永久歯をスムーズに誘導できます。

「もっと早く始めれば…」最適な時期を逃すことの3大リスクとは?

お子さまの成長は待ってくれません。
「もう少し様子を見よう」と思っているうちに、治療のゴールデンエイジを逃してしまうこともあります。
ここでは、最適な時期を逃した場合に起こりうる3つの大きなリスクについて解説します。

リスク1:タイミングを逃すと治療の選択肢が狭まる

顎の成長を利用できないため、健康な歯を抜歯してスペースを作る必要が出てきてしまいます。骨格的な問題は、外科手術を併用しないと改善できない場合もあるのです。

リスク2:治療が複雑化し、費用と期間の負担が増える

顎の成長が止まってしまうと、治療の難易度は格段に上がります。
歯を動かすスペースを確保するために抜歯が必要になったり、骨格のズレを治すために大掛かりな外科手術が必要になったりすることもあるのです。
その結果、治療期間が長引き、費用も小児矯正より高額になることが一般的です。

リスク3:見た目のコンプレックスが心に影響することも

特に思春期のお子さまにとって、見た目のコンプレックスは深刻な悩みです。
歯並びを気にして思い切り笑えなかったり、口元を手で隠す癖がついてしまったりすることもあります。
こうした経験が、自己肯定感の低下や、友人関係における消極性につながる可能性も否定できません。

親子で乗り越えるために!信頼できる歯科医院の選び方3つのポイント

長期間にわたる矯正治療を成功させるためには、お子さまと親御さん、そして歯科医院が三位一体となって協力することが不可欠です。
ここでは、安心して治療を任せられる歯科医院を選ぶための3つのポイントをご紹介します。

  1. 小児矯正に関する専門知識と経験が豊富か
    • お子さまの成長段階を見極め、最適な治療計画を立てるには高度な専門性が求められます。
    • これまでの症例実績などを確認し、安心して任せられる医師を探しましょう。
  2. 説明が丁寧で、メリット・デメリットをしっかり話してくれるか
    • 治療の選択肢や費用、期間について、専門用語を多用せず分かりやすく説明してくれることが重要です。
    • 良いことだけでなく、考えられるリスクやデメリットについても正直に話してくれる医院は信頼できます。
  3. お子さまが安心して通える雰囲気か
    • お子さま自身が「歯医者さんが怖い」と感じてしまうと、治療への協力が得られにくくなります。
    • スタッフがお子さまの目線で優しくコミュニケーションをとってくれるか、院内が明るく清潔かなども大切なポイントです。

世田谷区等々力にある「とどろき今井歯科」では、お子さま一人ひとりの成長段階と個性に合わせて、無理のない治療計画をご提案しています。
治療への不安や疑問に丁寧にお答えすることはもちろん、お子さまが楽しく通院できるよう、スタッフ一同温かい雰囲気づくりを心がけております。

【まとめ】お子さまの歯並びが気になったら、まずは専門家への相談が第一歩です

今回は、小児矯正を始める最適な時期について詳しく解説しました。
大切なポイントをもう一度振り返ってみましょう。

  • 小児矯正の最適な時期は、顎が成長する6歳から12歳頃
  • この時期に治療を始めると、抜歯のリスク心身への負担を軽減できる
  • 受け口など、症状によっては3歳頃からの早期治療が有効な場合もある
  • 最適な時期を逃すと、治療が複雑化し、費用期間の負担が増える可能性がある

お子さまの歯並びは、自然に治ることはほとんどありません。
「まだ大丈夫かな?」と様子を見るよりも、まずは専門家の目で一度しっかりと診てもらうことが、後悔しないための最も確実な方法です。

「とどろき今井歯科」では、矯正に関する無料相談も実施しております。
どんな些細なことでも構いませんので、どうぞお気軽にご相談ください。
お子さまの輝く未来と、生涯にわたる健康な笑顔のために、私たちが全力でサポートいたします。

本記事は、とどろき今井歯科 院長 今井 佳佑(歯科医師)の監修を受けています。
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