- 2026年1月14日
歯間ブラシとフロスはどっちを選ぶべき?歯科医師が違いとあなたに合う選び方を徹底解説
「歯医者で歯間の汚れを指摘されたけど、歯間ブラシとフロス、どっちを使えばいいのだろう?」
毎日しっかり歯磨きをしているつもりでも、実は歯ブラシだけでは歯の表面の汚れしか落とせていません。
歯と歯の間に潜む歯垢(プラーク)の約4割は見過ごされており、それが虫歯や口臭の大きな原因となっているのです。
この記事では、歯間ブラシとフロスの違いから、あなたに合った選び方、そして専門家が推奨する正しい使い方まで、分かりやすく解説します。
もうアイテム選びで迷うことなく、虫歯や口臭の不安から解放され、自信あふれる毎日を送りましょう。
フロスは基本的に全員必須!歯の隙間に合わせて歯間ブラシを併用しよう

基本的にはデンタルフロスを全員が使い、歯の隙間が広い部分には歯間ブラシを追加で使うのが最適解です。
なぜなら、歯ブラシの毛先が絶対に届かない「歯と歯が接している面」の汚れを唯一かき出せるのがフロスだからです。
一方で、歯周病の進行や加齢で歯茎が下がり、歯の根元にできた広い隙間には、歯間ブラシが非常に効果的なのです。
| 比較項目 | デンタルフロス | 歯間ブラシ |
|---|---|---|
| 主な役割 | 狭い歯間の汚れ除去 | 広い歯間の汚れ除去 |
| 得意な場所 | 歯と歯が接する面、歯周ポケットの浅い部分 | 歯茎が下がり隙間ができた部分、ブリッジの下など |
| 使い分け | 基本的に全員必須 | 歯の隙間が広い人が併用 |
歯間ブラシとデンタルフロスの違いを一覧比較
それでは、歯間ブラシとフロスの具体的な違いを詳しく見ていきましょう。
それぞれの特徴を知ることで、なぜ使い分けが必要なのかがより深く理解できます。
| 比較項目 | 歯間ブラシ | デンタルフロス |
|---|---|---|
| 形状 | 小さなブラシ(ワイヤー、ゴムなど) | 糸状 |
| 得意な場所 | ・歯茎が下がってできた広い隙間・ブリッジやインプラントの周り | ・歯と歯が接している狭い隙間・歯周ポケットの入り口 |
| メリット | ・広い面の歯垢を効率的に除去できる・操作が比較的簡単 | ・狭い隙間にも届く・歯の側面に密着させて汚れを絡め取れる |
| デメリット | ・狭い隙間には入らない・サイズが合わないと歯茎を傷つける | ・広い隙間の清掃には不向き・ロールタイプは慣れが必要 |
| おすすめな人 | ・歯周病などで歯茎が下がっている人・ブリッジなどの被せ物をしている人 | ・基本的にすべての人・歯と歯の隙間が狭い人 |
歯間ブラシ|広い隙間やブリッジの清掃が得意
歯間ブラシは、主に歯と歯の間にできた比較的広い隙間を掃除するためのアイテムです。
ワイヤーにナイロンなどの毛がついた「ワイヤータイプ」や、ゴムやシリコンでできた「ゴムタイプ」などがあります。
特に、以下のような場所の清掃でその真価を発揮します。
- 歯周病や加齢で歯茎が下がり、歯の根元にできた三角形の隙間(ブラックトライアングル)
- ブリッジ(歯がない部分を補う連結した被せ物)の下
- 矯正装置の周り
これらの場所は汚れが溜まりやすい一方、フロスだけでは清掃が不十分になりがちです。
歯間ブラシを使うことで、広い範囲の歯垢をごっそりとかき出すことができます。
デンタルフロス|狭い隙間や歯の側面に密着して汚れを絡め取る
デンタルフロスは、細い糸を使って歯と歯の狭い隙間を掃除するためのアイテムです。
虫歯の多くは、歯と歯が隣り合う面(隣接面)から発生します。
この部分をきれいにできるのは、デンタルフロスだけと言っても過言ではありません。
フロスには大きく分けて2つのタイプが存在します。
特徴 タイプ | 特徴 |
|---|---|
| ホルダータイプ | Y字型やF字型の持ち手にフロスが張られているもの。「糸ようじ」とも呼ばれ、初心者でも扱いやすいです。 |
| ロールタイプ | 必要な長さを指に巻きつけて使用するもの。慣れが必要ですが、歯の側面にしっかり沿わせることができ、清掃効果が高いです。 |
歯間ブラシが入らないような狭い隙間や、歯茎の中に1〜2mm程度隠れている歯周ポケットの入り口を清掃するのに不可欠です。
【簡単診断】あなたに合うのはどっち?3つのチェックポイントで選ぶ歯間ケア

「違いはわかったけれど、じゃあ自分は具体的に何を使えばいいの?」
そんなあなたのために、ご自身の状況に合わせて最適なケア方法がわかる3つのチェックポイントを用意しました。
Point 1:歯の隙間の「広さ」で選ぶのが基本
歯間ケアアイテムを選ぶうえで最も重要な基準は、あなたの「歯の隙間の広さ」です。
ご自身の歯の状態を鏡でチェックしてみてください。
| 歯の隙間の状態 | おすすめのアイテム |
|---|---|
| 隙間が狭い(フロスがギリギリ通る、または少しきつい) | デンタルフロス |
| 隙間が広い(爪楊枝が抵抗なく通る、食べ物がよく挟まる) | 歯間ブラシ |
| 狭い隙間と広い隙間が混在している | デンタルフロスと歯間ブラシの併用 |
特に歯間ブラシは、サイズ選びが非常に重要です。
スカスカすぎると汚れが落ちず、きつすぎると歯や歯茎を傷つける原因になります。
初めての方は、歯科医院で自分に合ったサイズを教えてもらうのが最も確実です。
Point 2:歯並びや治療歴(矯正・インプラント)で選ぶ
歯並びが複雑だったり、特別な歯科治療を受けていたりする場合は、ケアにも一工夫が必要です。
ご自身の状況に合ったアイテムを選びましょう。
| 状況 | 推奨されるケア方法 |
|---|---|
| 歯並びが悪い(重なっている部分など) | デンタルフロスは必須。歯ブラシが届きにくい場所は、毛束が小さい「タフトブラシ」の併用も効果的です。 |
| 矯正治療中(ワイヤー矯正) | ワイヤーの下にフロスを通すための補助具「フロススレッダー」や、専用の歯間ブラシが便利です。 |
| インプラントやブリッジがある | インプラント専用のフロスや、隙間に合ったサイズの歯間ブラシを使用します。ブリッジの下も同様に清掃が必要です。 |
Point 3:初心者向け|使いやすさと継続しやすさで選ぶ
歯間ケアを始めたばかりの方は、まず「使いやすさ」を重視して選ぶのがおすすめです。
| こんな方には | こちらがおすすめ |
|---|---|
| 手先が不器用、指でフロスを扱うのが難しい | **ホルダータイプのフロス(糸ようじ)**から始めてみましょう。奥歯にも届きやすく、手軽にケアできます。 |
| 歯間ブラシの金属(ワイヤー)に抵抗がある | ゴムタイプの歯間ブラシがおすすめです。柔らかい使い心地で、歯茎への刺激もマイルドです。 |
まずは簡単なものから始めて、歯間ケアそのものを毎日の習慣にすることが大切です。
歯垢除去率が9割にUP!歯科医師が教える正しい使い方と順番

歯ブラシだけでの歯垢除去率は約61%ですが、歯間ブラシやフロスを正しく併用することで、その数値を約90%まで引き上げることができます。
基本の使い方|歯茎を傷つけないためのコツ
歯間ブラシもフロスも、力任せに動かすのは禁物です。
歯や歯茎を傷つけないよう、優しく丁寧に行うのがポイントです。
| アイテム | 正しい使い方とコツ |
|---|---|
| 歯間ブラシ | 1. 鏡を見ながら、歯と歯茎の間の隙間にまっすぐ、ゆっくり挿入します。 2. 無理な力は加えず、数回水平に動かして清掃します。 3. 奥歯は頬側と舌側の両方から挿入すると効果的です。 |
| デンタルフロス | 1. のこぎりを引くように、ゆっくりと歯の間に通します。 2. 歯の側面に沿わせ、アルファベットの「C」の字を描くように巻きつけます。 3. 歯茎の溝に少し入れ、上下に数回動かして汚れをかき出します。隣の歯も同様に行います。 |
最適な順番は「歯間ケア→歯磨き」で効果最大化
「フロスと歯磨き、どっちが先?」というのもよくある質問ですが、推奨される順番は「歯間ケア → 歯磨き」です。
これには明確な理由があります。
先に歯間ブラシやフロスで歯と歯の間の大きな汚れや歯垢を取り除いておくことで、その後の歯磨きで使う歯磨き粉のフッ素などの薬用成分が、隅々まで行き渡りやすくなります。
これにより、虫歯や歯周病の予防効果を最大限に高めることができるのです。
- 歯間ブラシやフロスで歯間の汚れを除去
- 歯ブラシで歯の表面全体を磨き上げる
この順番をぜひ習慣にしてみてください。
歯間ブラシ・フロスのよくある疑問 Q&A

ここでは、患者さんからよく寄せられる歯間ケアに関する疑問について、Q&A形式でお答えします。
あなたの不安や疑問も、ここで解消されるかもしれません。
Q1. 歯間ブラシで歯の隙間が広がるって本当?
A. 正しいサイズの歯間ブラシを適切に使っている限り、歯の隙間が広がることはありません。
「隙間が広がった」と感じる場合、その多くは歯間ブラシの使用によって歯茎の炎症が改善し、腫れが引いて引き締まったために、元々あった隙間が見えるようになったケースです。
これはむしろ健康な状態に向かっている証拠です。
ただし、明らかにきつすぎるサイズのものを無理やり使うと、歯や歯茎を傷つけ、結果的に隙間が広がる原因になり得るので注意が必要です。
Q2. フロスで出血する…続けても大丈夫?
A. 軽い出血であれば、心配せずに優しくケアを続けてください。
フロスを通した際の出血は、多くの場合、そこに歯垢が溜まって歯茎が炎症を起こしている(歯肉炎)サインです。
出血を怖がってケアをやめてしまうと、炎症は悪化する一方です。
優しく丁寧にフロスを続けることで、歯垢が除去され、通常は1週間から2週間ほどで歯茎が引き締まり、出血は自然と収まります。
ただし、痛みが強かったり、長期間出血が続いたりする場合は、歯科医院に相談しましょう。
Q3. 毎日使った方がいいの?最適な頻度は?
A. 理想は毎食後ですが、最低でも1日1回、就寝前に行うことを強くおすすめします。
歯垢は約24時間で形成されるため、少なくとも1日1回はリセットすることが重要です。
特に夜寝ている間は、唾液の分泌量が減って口の中の細菌が繁殖しやすくなるため、就寝前のケアが最も効果的です。
毎日の習慣にすることが、虫歯や歯周病を予防する上で何よりも大切です。
プロのクリーニングで未来の歯を守る
ここまでセルフケアの重要性をお伝えしてきましたが、どれだけ丁寧に歯間ブラシやフロスを使っても、セルフケアで除去できる歯垢は80%から90%が限界です。
そして、一度硬く石灰化してしまった「歯石」は、ご自身のケアで取り除くことは絶対にできません。
この残ってしまった歯垢や歯石こそが、虫歯や歯周病をじわじわと進行させる元凶となります。
そこで重要になるのが、歯科医院でのプロフェッショナルクリーニング(PMTC)です。
歯科医師や歯科衛生士が専門的な器具を使い、セルフケアでは決して届かない歯周ポケットの奥深くや、歯並びの複雑な部分の汚れを徹底的に除去します。
世田谷区等々力にある「とどろき今井歯科」では、患者さん一人ひとりのお口の状態を丁寧に診察し、最適なケア方法をアドバイスしています。
定期的な検診とクリーニングを組み合わせることで、あなたの大切な歯を未来にわたって守るお手伝いをいたします。
【まとめ】自分に合った歯間ケアを習慣にして、一生モノの健康な歯を
この記事では、歯間ブラシとデンタルフロスの違いから、あなたに合った選び方、正しい使い方までを解説しました。
- 結論:フロスは基本的に全員必須。歯の隙間に合わせて歯間ブラシを併用するのがベスト。
- 選び方:まずは「歯の隙間の広さ」を基準に、歯並びや使いやすさも考慮して選ぶ。
- 使い方:歯を傷つけないよう優しく行い、「歯間ケア → 歯磨き」の順番を守る。
- プロのケア:セルフケアには限界があるため、定期的な歯科検診とクリーニングが不可欠。
今日から始められる小さな一歩が、10年後、20年後のあなたの口腔環境を大きく左右します。
まずはドラッグストアでホルダータイプのフロスを手に取ってみる、あるいは、かかりつけの歯科医院で自分に合う歯間ブラシのサイズを相談してみることから始めてみませんか。
正しいケアを毎日の習慣にすることは、あなたの未来の健康への、何より価値のある投資となるでしょう。
