- 2025年1月28日
- 2025年2月4日
インプラントの適応症を徹底解説!治療できる条件・できない条件とは?
「歯を失ってしまったけど、インプラント治療ってどんな人に向いているんだろう?」「自分の場合はインプラント治療ができるのだろうか?」
歯を失った際の治療法として注目されているインプラント治療。しかし、どんな人でも受けられる治療ではなく、適応症と禁忌症が存在します。費用や治療期間も気になるため、治療を受ける前にしっかりと情報収集することが大切です。
この記事では、インプラントの適応症について徹底解説します。インプラント治療の仕組みやメリット・デメリット、保険適用などについても詳しくご説明します。この記事を読めば、インプラント治療を受ける前に知っておくべき情報がすべて分かります。
インプラント治療とは?メリット・デメリット、費用を理解しよう

まずはインプラント治療の仕組みやメリット・デメリット、そして費用相場について分かりやすく解説していきます。
インプラント治療の仕組みと流れ
インプラント治療とは、失ってしまった自分の歯の代わりに、人工歯根(インプラント体)をあごの骨に埋め込み、その上に人工歯冠を取り付ける治療法です。まるで天然歯のような見た目と機能を取り戻せるため、近年注目を集めています。
治療の大まかな流れは以下の通りです。
- 診査・診断
- CT撮影などを行い、あごの骨の状態や神経の位置などを詳しく調べます。
- インプラント体埋入手術
- あごの骨にインプラント体を埋め込みます。局所麻酔を使用するので、手術中の痛みはほとんどありません。
- 治癒期間
- インプラント体とあごの骨が結合するまで、数ヶ月間待ちます。
- 人工歯冠の装着
- インプラント体の上部に人工歯冠を取り付け、治療完了です。
詳しい治療の流れは歯科医院によって異なる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
インプラントのメリット・デメリットを比較
インプラント治療には、入れ歯やブリッジにはない様々なメリットがあります。
例えば、天然歯のような噛み心地や見た目、しっかりとした発音を取り戻せる点が挙げられます。また、周りの健康な歯を削る必要がないのも大きなメリットです。
一方で、外科手術が必要なこと、治療期間が比較的長いこと、費用がかかることなどがデメリットとして挙げられます。 また、治療後も定期的なメンテナンスが必要になります。
メリットとデメリットをよく理解し、自分に合った治療法かどうかを判断することが重要です。
インプラント治療にかかる費用相場
インプラント治療の費用は、使用するインプラントの種類や本数、治療を行う歯科医院によって異なります。一般的には1本あたり30万円~65万円程度が相場と言われています。
費用には、診査・診断費、手術費、インプラント体代、人工歯冠代などが含まれます。
自由診療のため保険は適用されませんが、医療費控除の対象となる場合があります。また、自治体によっては補助金制度を設けているところもあるので、事前に確認しておきましょう。
インプラントの適応症と禁忌症:どんな人がインプラント治療を受けられる?

インプラント治療は、あらゆる歯を失った状況に役立つ治療法ですが、残念ながら、すべての人に適応できるわけではありません。そこで、インプラント治療に適した人と、そうでない人の特徴について詳しく解説していきます。
インプラント治療に適した人とは?
インプラント治療は、以下のような方に適しています。
- 1本または複数本の歯を失ってしまった方
歯を失った部分にインプラントを埋め込むことで、天然歯のような見た目と機能を取り戻すことができます。
- 総入れ歯の方
インプラントを支えにすることで、入れ歯の安定性を高め、食事や会話をより快適に楽しむことができます。
- 部分入れ歯の方
部分入れ歯のバネをかける歯への負担を軽減し、残っている歯を長持ちさせることに繋がります。
- 入れ歯の装着感が苦手、または不便を感じている方
インプラントは自分の歯のように感じるため、入れ歯の異物感や不便さから解放されます。
- 顎の骨が十分にある方
インプラントをしっかりと固定するためには、顎の骨の厚みと密度が重要です。骨量が不足している場合は、骨造成などの処置が必要になることもあります。
- 健康状態が良好な方
インプラント治療は外科手術を伴うため、全身の健康状態が良好であることが大切です。
- 口腔衛生をしっかり管理できる方
インプラントを長持ちさせるためには、毎日のブラッシングや定期的な歯科検診など、適切な口腔ケアが不可欠です。
インプラント治療が難しい、またはできない人とは?
一方で、以下のような方はインプラント治療が難しい、またはできない場合があります。
- 重度の歯周病の方
歯周病が進行していると、インプラント周囲炎のリスクが高まるため、治療前に歯周病の治療が必要です。
- コントロール不良の糖尿病の方
糖尿病は傷の治りを悪くするため、インプラント治療後の治癒に影響を及ぼす可能性があります。適切な血糖コントロールが必要になります。
- 顎の骨が極端に少ない方
骨量が不足している場合は、骨造成手術が必要になりますが、場合によってはインプラント治療自体が難しいこともあります。
- 妊娠中の方
妊娠中はホルモンバランスの変化などにより、治療に適さない場合があります。出産後、体調が安定してから治療を行うことが推奨されます。
- 成長期のお子さん
顎の骨の成長が完了していないため、インプラント治療は適していません。
- 特定の薬を服用している方(ビスフォスフォネート系薬剤など)
服用している薬によっては、インプラント治療に影響を及ぼす可能性があります。必ず医師に相談しましょう。
- 喫煙習慣のある方
喫煙は、インプラントの定着を妨げるため、禁煙が推奨されます。
- 全身疾患のある方
心臓病や高血圧などの持病がある場合は、医師との相談が必要です。
上記はあくまで一般的な例であり、最終的な判断は歯科医師による診察が必要です。インプラント治療を検討している方は、まずは歯科医院を受診し、自分の状態に合った治療法について相談しましょう。
年齢制限はある?インプラント治療の適応年齢について

インプラント治療に興味はあるけれど、「年齢的に大丈夫なのかな?」と心配されている方もいるかもしれません。ここでは、インプラント治療の適応年齢について詳しく解説します。
高齢者でもインプラント治療は可能?
結論から言うと、高齢者の方でもインプラント治療は可能です。
65歳以上の方でも、全身の健康状態や口腔内の環境に問題がなければ、インプラント治療を受けることができます。もちろん、年齢を重ねるとともに骨密度が低下したり、持病がある場合もあるので、担当医との綿密な相談が不可欠です。しっかりと診査・診断を受け、治療計画を立ててもらうことが大切です。
成長期の子どもはインプラント治療を受けられる?
一方、成長期の子どもはインプラント治療を受けることができません。
インプラント治療は、顎の骨の成長が完了していることが前提となります。一般的には、18歳から20歳頃で顎の骨の成長が止まるといわれていますが、個人差があります。成長期にインプラントを埋め込むと、顎の骨の成長とともにインプラントの位置がずれてしまう可能性があるため、治療は顎の骨の成長が完了してから行います。
そのため、子どもの歯を失ってしまった場合は、インプラント以外の治療法を検討する必要があるのです。担当医とよく相談し、最適な治療法を選択しましょう。
インプラント治療ができないケースとは?具体的な例を紹介

インプラント治療はメリットの多い治療法ですが、残念ながらすべての人が適応できるわけではありません。ここでは、インプラント治療が難しい、あるいはできないケースを具体的に見ていきましょう。
骨量が不足している場合
インプラント体を埋め込むには、顎の骨に十分な厚みと高さが必要です。骨量が不足していると、インプラント体が安定せず、治療が成功しない可能性が高くなります。
骨粗鬆症の治療中であったり、歯周病を長年患っていたりすると骨が痩せてしまうことがあります。また、歯を失ってから長期間が経過すると、顎の骨は徐々に吸収されて薄くなっていくため、インプラント治療が難しくなるケースも。
しかし、骨量が不足している場合でも、必ずしもインプラント治療ができないわけではありません。
「骨造成」と呼ばれる治療法で、骨の量を増やすことでインプラント治療が可能になるケースもあります。 骨造成には、人工骨を移植する方法や、自分の骨を移植する方法など、様々な方法があります。どの方法が適しているかは、患者さんの状態によって異なりますので、歯科医師に相談してみましょう。
重度の歯周病の場合
歯周病は、歯を支えている骨や歯茎が細菌によって破壊される病気です。
重度の歯周病の場合、顎の骨が大きく損なわれているため、インプラント体を埋め込むことが難しくなります。また、歯周病菌がインプラント周囲炎を引き起こし、インプラント体の脱落につながるリスクも高まってしまうのです。
インプラント治療を行う前に、歯周病の治療をしっかりと行えば、治療の成功率を高めることができます。
全身疾患のコントロールが難しい場合
糖尿病や骨粗鬆症、心臓病などの全身疾患がある場合、インプラント治療が難しい、あるいはできない場合があります。
これらの疾患は、インプラント体の定着を阻害したり、術後の治癒を遅らせたりする可能性があるからです。また、服用している薬によっては、インプラント治療に影響を与える場合もあります。
全身疾患がある場合は、事前に医師と相談し、インプラント治療が可能かどうか、どのようなリスクがあるのかをしっかりと確認することが重要です。
インプラント治療と保険適用:費用と保険適用の範囲

インプラント治療は高額なイメージがありますが、実は一部条件下では保険適用となるケースもあります。費用の負担を軽減できる可能性もあるので、保険適用の有無は治療前に必ず確認しておきたいポイントです。この章では、インプラント治療における保険適用について詳しく解説します。
保険適用されるケースとされないケース
インプラント治療は基本的に自由診療のため全額自己負担ですが、例外的に保険適用されるケースがあります。それは、顎の骨に重度の欠損があるなど、医学的にインプラント治療が必要と認められた場合です。具体的には、以下の様なケースが挙げられます。
保険適用されるケース
- 先天的な顎の骨の欠損
- 腫瘍の摘出手術などで顎の骨を大きく失った場合
- 外傷によって顎の骨を大きく損傷した場合
これらのケースに該当する場合、インプラント治療の一部が保険適用となる可能性があります。
ただし、適用される条件は厳しく、審査も必要となるため、事前に歯科医師に相談することが重要です。多くの場合、審美目的や通常の歯の欠損に対するインプラント治療は保険適用外となります。
インプラント治療にかかる費用と補助金制度
保険適用外の場合、インプラント治療は1本あたり30万円から65万円程度が相場と言われています。症状や埋入位置、歯科医院によって費用は変動します。
総額が高額になるため、費用面がインプラント治療の大きなハードルとなっている方も多いでしょう。しかし、費用を抑えるための方法もいくつかあります。
費用を抑えるための方法
- 医療費控除
医療費控除制度を利用することで、一定額の所得控除を受けることができます。 - デンタルローン
デンタルローンを利用することで、分割で支払うことが可能になります。 - 自治体の補助金制度
一部の自治体では、インプラント治療に補助金を出している場合があります。お住まいの自治体の制度を確認してみましょう。
これらの制度をうまく活用することで、費用負担を軽減できる可能性があります。治療前に歯科医師や自治体に相談し、利用できる制度がないか確認することをおすすめします。
【まとめ】インプラント治療を受ける前のチェックポイント
今回は、インプラント治療の適応症について、できる条件・できない条件など、詳しく解説しました。
インプラント治療は、しっかり噛める喜びを取り戻すための大きな一歩。でも、その一歩を踏み出す前に、今回の内容を参考に、自分に合っている治療なのかどうか、しっかり確認することが大切です。
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