• 2025年11月19日

精密根管治療のメリットを徹底解説|再発させないための賢い選択

「歯の神経を抜く治療が必要です」

歯科医院でこのように告げられ、不安を感じていませんか。

歯の根の中をきれいにする根管治療は、再発することも多く、最終的には抜歯に至るケースも少なくありません。

しかし、先進的な治療法を選べば、その未来は大きく変わる可能性があります。

この記事では、あなたの歯を生涯にわたって守るための賢い選択肢、「精密根管治療」の真の価値について徹底的に解説します。

治療を受けるべきか迷っている方が、後悔のない決断を下すための一助となれば幸いです。

精密根管治療とは?保険診療との決定的な違い

まずは、精密根管治療がどのようなものか、基本的な部分から見ていきましょう。

従来の保険診療で行われる根管治療との違いを知ることで、その必要性をご理解いただけるはずです。

精密根管治療の目的は「歯の未来を守る」こと

精密根管治療の目的は、歯の根の内部にある「根管」から細菌感染を徹底的に取り除き、再発を防ぐことにあります。

そして、抜歯を回避し、あなた自身の歯を1本でも多く、生涯にわたって健康に保つことを目指すのです。

肉眼では見えないほど複雑で微細な根管の内部を、先進的な機器を用いてミクロのレベルで清掃・殺菌する、まさに歯の未来を守るための治療法だと言えるでしょう。

一目でわかる!保険診療と精密根管治療の比較表

精密根管治療と保険診療の根管治療には、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

項目保険診療の根管治療精密根管治療(自由診療)
費用比較的安価(2,000円〜5,000円程度)高額(1歯あたり5万円〜20万円以上)
使用機器主に肉眼、レントゲンマイクロスコープ、歯科用CT、ラバーダム防湿など
使用材料制限あり(ステンレスファイルなど)高品質な材料(ニッケルチタンファイル、MTAセメントなど)
治療時間1回あたりの時間が短い傾向1回あたりの時間が比較的長く集中的な治療が可能。患者様の希望に合わせて治療時間の調整が可能
再発リスク比較的高い(再治療率45%〜70%)大幅に低い
歯の保存限界がある場合がある抜歯回避の可能性が高まる

精密根管治療がもたらす5つのメリット

「費用が高いのに、本当にそれだけの価値があるの?」

多くの方が抱くこの疑問に答えるため、精密根管治療がもたらす具体的なメリットを5つご紹介します。

メリット1:成功率90%以上!再治療のリスクを大幅に下げる

精密根管治療の最大のメリットは、その圧倒的に高い成功率にあります。

保険診療の成功率が30%〜60%であるのに対し、精密根管治療では85%〜90%以上という非常に高い水準を達成しています。

この差を生む最大の要因は、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の使用です。

肉眼の最大数十倍まで視野を拡大することで、これまで見えなかった複雑な根管の分岐や微細な感染源までを正確に捉え、徹底的に除去することが可能になります。

また、治療中に唾液中の細菌が根管内へ侵入するのを防ぐラバーダム防湿を併用することで、無菌的な環境を維持し、再感染のリスクを劇的に低減させます。

メリット2:抜歯を回避し、自分の歯を生涯のパートナーに

精密根管治療は、重度の感染症例においても歯を救う最後の砦となり得ます。

高い成功率と低い再発リスクは、あなたの大切な歯の寿命を大きく延ばすことにつながるのです。

また、マイクロスコープを用いた精密な処置は、健康な歯質を不必要に削ることを防ぎます。

これにより、歯の強度を最大限に保ち、将来的な破折リスクを減らすことで、ご自身の歯を生涯のパートナーとして長く使い続ける道が開けます。

メリット3:治療の繰り返しによる心身の負担から解放される

根管治療の再発を繰り返し、何度も歯科医院に通うことは、時間的にも、肉体的にも、そして精神的にも大きな負担となります。

終わりの見えない治療は、生活の質(QOL)を著しく低下させてしまうでしょう。

精密根管治療は、「一度で治療を完結させる」ことを目指す治療です。

一回一回の治療に十分な時間をかけて徹底的に処置を行うことで、再治療の苦痛の連鎖からあなたを解放します。

メリット4:治療中の痛みを最小限に抑え、快適な治療体験を

「根管治療は痛いもの」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

しかし、現代の精密根管治療は、患者様の負担を軽減するために大きく進化しています。

最新の麻酔技術と、歯や神経に余計なダメージを与えない洗練された治療手技により、治療中の痛みや不快感は最小限に抑えられます。

かつてのネガティブなイメージを払拭し、安心して治療に臨める環境が整っていることも、精密根管治療の大きなメリットの一つです。

メリット5:長期的視点で生涯の医療費を抑える「賢い投資」

精密根管治療は自由診療のため、初期費用は高額になります。

しかし、これは単なる「出費」ではなく、将来の健康への「賢い投資」と捉えることができます。

もし保険診療で再発を繰り返せば、その都度治療費がかかります。

最終的に抜歯となれば、インプラントやブリッジといったさらに高額な治療が必要になる可能性が高いでしょう。

精密根管治療で一度に問題を解決することは、結果としてあなたの生涯にわたる医療費の総額を抑制することにつながるのです。

メリットだけじゃない!精密根管治療のデメリットと注意点

ここまでメリットを強調してきましたが、どのような治療法にもデメリットは存在します。

精密根管治療の真の価値を理解するためには、その現実的な課題についても知っておくことが重要です。

デメリット1:高額な費用【自由診療になる理由と相場】

最大の障壁は、やはり費用面でしょう。

精密根管治療は、マイクロスコープや歯科用CTといった高度な設備、そして高品質な薬剤や材料を使用するため、日本の健康保険制度の枠内では認められていません。

そのため、全額自己負担の自由診療となります。

デメリット2:治療時間が長く、高度な技術が求められる

精密根管治療は、ミクロ単位の非常に繊細な作業を要求されます。

そのため、1回あたりの治療時間は60分から120分と、保険診療に比べて長くなる傾向があります。(患者様の希望に合わせ、治療時間の調整が可能)

長時間お口を開けているのが苦手な方にとっては、負担に感じるかもしれません。

デメリット3:治療を受けられる歯科医院が限られている

残念ながら、精密根管治療はどの歯科医院でも受けられるわけではありません。

高度な設備を導入し、それを使いこなすための専門的なトレーニングを積んだ歯科医師がいる医院は、まだ少数派なのです。

そのため、質の高い治療を受けるには、患者様ご自身で信頼できる医院を探し出す必要があります。

精密根管治療の具体的な流れ|初診から治療完了までの4ステップ

「実際にどんなことをされるのだろう?」

治療に対する不安を少しでも和らげるため、初診のカウンセリングから治療完了までの具体的な流れを4つのステップに分けてご紹介します。

STEP1:カウンセリングと精密検査(CT撮影など)

まずは、患者様のお悩みや症状を詳しくお伺いするカウンセリングから始まります。

その後、レントゲン撮影に加えて、歯科用CTによる精密検査を行います。

CT撮影により、歯の根の形状や数、病巣の広がりなどを三次元的に詳細に把握することが可能です。

STEP2:感染部位の徹底的な除去と洗浄(マイクロスコープ・ラバーダム使用)

実際の治療では、まずラバーダムというゴムのシートでお口を覆い、治療する歯だけを露出させます。

これにより、唾液中の細菌が根管内に侵入するのを防ぎ、安全でクリーンな環境を確保します。

そして、マイクロスコープで根管内を拡大して観察しながら、感染した神経や汚染物質を特殊な器具(ニッケルチタンファイルなど)で徹底的に除去し、洗浄・消毒を行います。

STEP3:隙間なく薬剤を詰める根管充填と土台の構築

根管内が完全にクリーンな状態になったら、再び細菌が侵入しないように、MTAセメントなどの生体親和性の高い薬剤を隙間なく詰めていきます。

これを根管充填(こんかんじゅうてん)と呼びます。

この封鎖が不完全だと、再感染の原因となってしまいます。

その後、最終的な被せ物を安定させるための土台(コア)を歯の中に作ります。

STEP4:再感染を防ぐ精密な被せ物(クラウン)の装着

根管治療の成功を長期的に維持するためには、最終的な被せ物(クラウン)の精度が極めて重要です。

精密に作られたクラウンを装着し、歯と被せ物の間に細菌が侵入する隙間をなくすことで、治療は完了となります。

【世田谷区・とどろき今井歯科】当院が精密根管治療で選ばれる理由

世田谷区等々力にある「とどろき今井歯科」は高いレベルの精密根管治療を行っています。

当院はただ治療を行うだけでなく、患者様一人ひとりの歯の未来に責任を持つことを哲学としています。

理由1:高性能マイクロスコープと徹底した衛生管理で「安全・確実」を追求

当院では、肉眼の20倍まで拡大可能なドイツ製の高性能マイクロスコープを導入しています。

これにより、複雑な根管の内部構造を正確に把握し、感染源の見逃しを防ぎ、より確実な治療を提供することが可能です。

また、衛生管理においても一切の妥協を許しません。

最も厳しいとされるヨーロッパ基準EN13060のクラスB規格滅菌システムを採用し、患者様が常に安全な環境で治療を受けられる体制を整えています。

理由2:「20年、30年先まで責任を持つ」患者様中心の治療哲学

「治療した歯を20年30年先まで責任を持って診続けたい」

上記の理念のもと、治療を始める前には必ず十分なカウンセリングの時間を設け、患者様が抱える悩みや不安をじっくりと伺います。

私たちは、一方的に治療を進めるのではなく、患者様と共に最善のゴールを目指すパートナーでありたいと考えています。

精密根管治療に関するよくある質問(Q&A)

最後に、精密根管治療に関して患者様からよく寄せられる質問にお答えします。

Q1. どんな歯でも精密根管治療で残せますか?

A1. 残念ながら、精密根管治療も万能ではありません。

歯の根が割れていたり(歯根破折)、虫歯が進行しすぎて残せる歯質がほとんどなかったりする場合には、適応できないことがあります。

しかし、従来の方法では抜歯と診断されたケースでも、精密根管治療によって保存できる可能性は十分にあります。

まずは専門家による正確な診断を受けることが重要です。

Q2. 治療後に痛みや腫れが出ることはありますか?

A2. 治療後、一時的に軽い痛みや違和感、歯が浮いたような感覚が出ることがあります。

これは、治療による正常な反応(治癒反応)であることがほとんどで、通常は処方されたお薬を服用することで治まり、数日で落ち着きます。

もし痛みが長引いたり、強くなったりする場合には、遠慮なくご相談ください。

Q3. 治療費は医療費控除の対象になりますか?

A3. はい、対象になります。

精密根管治療は自由診療ですが、セラミックの被せ物なども含め、治療にかかった費用は医療費控除の対象となります。

年間の医療費が一定額を超えた場合に、確定申告を行うことで所得税の一部が還付される制度です。

領収書は大切に保管し、詳しくは国税庁のウェブサイトやお近くの税務署でご確認ください。

【まとめ】精密根管治療は、あなたの歯の未来を守るための最善の選択肢

この記事では、精密根管治療のメリット・デメリットから、具体的な治療の流れ、そして後悔しない医院選びのポイントまでを詳しく解説しました。

精密根管治療は、確かに保険診療と比べて費用も時間もかかります。

しかし、それは再発の苦しみから解放され、あなた自身の大切な歯を生涯にわたって守るための、最も賢明な「投資」です。

もし今、あなたが根管治療で悩んでいるのなら、ぜひ一度、精密根管治療という選択肢を真剣に検討してみてください。

そして、信頼できる専門家に相談し、あなたの歯にとって最善の道を見つけることから始めましょう。

本記事は、とどろき今井歯科 院長 今井 佳佑(歯科医師)の監修を受けています。
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